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28ページ目 しばらくして、誰かがこちらへと近づいてきていることに気がついた。 方向からしてさっき殺しあっていた者なのだろう。 トラハムくんはデイパックの中に手を入れ、短刀を掴んだまま待ち構える。 どうする――――!? 相手が殺し合いに乗っていた場合、殺すべきなのか? 答えが出ないまま、相手は姿を現した。 「と、トラハムはん…………」 息を切らせながらまいどはトラハムくんの名前を呼んだ。 彼の右肩からは血が溢れ出している。 短刀を握る手に力が入る。 「誰を殺した……?」 その言葉にまいどは細い目を見開かせた。 「ちゃう! トラハムはん、聞いとくれ!」 「寄るな!」 「違うんやトラハムはん! 話を――――!」 気がついたときには、まいどは息絶えていた。 彼のデイパックの中に入っていた武器はハリセン。 そんなもので誰かを殺すことなど出来るはずがなかった――。 【まいど 死亡】 「はは、は――――」 かすれた声でトラハムくんは笑う。 そこにいつもの陽気な彼はなかった。 膝をつき、涙を溢れさせる。 彼は勘違いで、取り返しのつかないことをしてしまったのだ。 「あああああああああああああああああああ!!!」 声が出なくなるまで叫び、 彼は自分の喉下へ短刀を当てた。 【1日目 夕方】 【トラハムくん】 [状態] 発狂 [装備] 短刀・ハリセン [思考・状況] 1 死ぬ 次へ トップへ
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13ページ目 まいどは発砲音のした方へと走っていき、そして途方に暮れた。 住宅街エリアだけあって周りはいくつもの空き家で囲まれている。 音の原因が屋内にあるとすれば探すのは困難だ。 「どないせぇっちゅうねん…………!」 まいどは気付いていなかった。 後方の空き家のドアが、ゆっくりと開こうとしていることに。 【1日目 昼】 【まいど】 [状態] 健康・疲労(小) [装備] ハリセン [思考・状況] 1 どうすれば…… 2 音のした方向へ向かう 3 ギャグを言いたい 4 殺し合いには乗らない 次へ トップへ
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34ページ目 【1日目 夕暮れ】 【リボンちゃん】 [状態] 負傷(左腕) 怒り [装備] 殺人光弾能力 [思考・状況] 1 装填まで生き延びる 2 かぶるを殺す 【かぶる】 [状態] 健康 [装備] 自動式拳銃 障壁能力(装填中) [思考・状況] 1 リボンちゃんを殺す 続けて二発、銃弾が放たれた。 どちらも当たることはなかったが、リボンちゃんの動きは抑制される。 当たり所によっては致命傷、腕や足でも襲い掛かる激痛は並大抵のものではない。 そうなればリボンちゃんも迂闊には動けない。 だがそれが命取りとなる。 「しまっ――――!」 かぶるは一気に距離を詰め、素早くリボンちゃんの真横へ回り込んだ。 ここからなら外すことはない。避けられることはない。 必中必殺。かぶるは相手の頭へ向けて、引き金を引く! だが銃弾は発射されない。 「!?」 焦るあまりかぶるは残弾を把握することを忘れていたのだ。 リボンちゃんの口元がいやらしく吊りあがる。 「形成逆転でちゅわね……!」 盾を呼び出すにはまだ時間がかかる。 リボンちゃんの攻撃をかわすことはほぼ不可能だ。 軌道を予測しようにも、光弾は脳が反応するよりも早く襲い掛かってくる。 それに万が一避けれたとしてもかぶるにはもう攻撃手段はないのだ。 絶体絶命。 「死んでくださいでちゅわ」 リボンちゃんが片腕を振り上げた。 振り下ろされれば光弾が発射され、かぶるは絶命するだろう。 ハム太郎はほぼ即死だった。もしかしたら痛みすら感じていなかったかも知れない。 苦痛がないだけマシかも知れないのだが、死というものはかぶるにとってあまりにも残酷なものだった。 数秒後、自分がこの世から消え去ってしまう実感がどうしても湧かない。 視界が狭まっていく。息が乱れる。何も考えられなくなる。 リボンちゃんが今まさに光弾を発射しようとした、その瞬間。 「嫌だああああああああああああああああ!!」 次へ トップへ
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15ページ目 「そうだ……私は……」 トンガリくんの死体を見ながらこうしが呟く。 彼だって少なからず恐怖を感じていたはず。 しかし死んでしまえばもう悩むこともないのだ。 「…………命を奪ったんじゃない」 自分でも知らない内にこうしは微笑んでいた。 不思議と、可笑しくて仕方が無い。 「〝死を与えたんだ〟」 ついさっきまでの恐怖心、罪悪感はもう微塵も残っていなかった。 玄関から出てその姿を目にした時、こうしは何の躊躇いもなく銃口をまいどへと向けた。 ハムちゃんズのみんなをこの苦しみから解放し、最後は自分も死ぬ。 迷いなんてなかった。引き金にかけられた指に力が入る。 【1日目 昼】 【こうし】 [状態] 疲労(小)・狂乱 [装備] 回転式拳銃(トンガリ)・不明(こうしの武器) [思考・状況] 1 全員殺して自分も死ぬ 2 まいどを殺す 次へ トップへ
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24ページ目 危なかった、こうしは拳銃に弾を装填しながら思う。 あの時、逃げるメガネに向かって引き金を引いたが弾は出てこなかった。 残弾は0だった。 殺しに夢中で残弾を把握出来ていなかったからだ。 もしメガネが逃げずに立ち向かっていれば自分は殺されていただろう。 危なかった、こうしは再度思う。 だが、 やっぱり自分はツいている。 こうしは口元を僅かに吊り上げる。 【1日目 昼】 【こうし】 [状態] 疲労(小)・狂乱 [装備] 回転式拳銃(トンガリ)・ブーメラン ・透視能力(マフラー) [思考・状況] 1 メガネは後回しでいいだろう ※散弾銃はメガネの一撃で破損 次へ トップへ
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ギャルゲー・バトルロワイアルについて ギャルゲ板にあるスレッド。 投票で選ばれたギャルゲーキャラ、67人がバトルロワイアルをするリレー小説。 スレッド自体は去年の秋頃から立っていたが、2006年に入ってから本格的に動き始めた。 現在、書き手募集中。 (2006/08/15:スレッドのDAT落ちを確認) キャラクター 主催者 ■葵叉丹(サクラ大戦シリーズ) 参加者名簿 【サクラ大戦シリーズ】 ■大神一郎/真宮寺さくら/李紅蘭/エリカ・フォンティーヌ/ロベリア・カルリーニ/大河新次郎/ジェミニ・サンライズ 【永遠のアセリア ―この大地の果てで―】 ■オルファリル・レッドスピリット/岬今日子/ウルカ・ブラックスピリット/秋月瞬/倉橋時深 【君が望む永遠】■鳴海孝之/涼宮遙/速瀬水月/大空寺あゆ 【カルタグラ ~魂の苦悩~】■高城秋五/上月和菜/高城七七 【舞-HiME 運命の系統樹】■鴇羽舞衣/玖我なつき/深優・グリーア 【Ever17 -the out of infinity-】■倉成武/小町つぐみ/松永沙羅 【Lの季節 ~A piece of memories~】■上岡進/星原百合/氷狩吹雪 【らいむいろ戦奇譚☆純】■真田木綿/加藤麻/サテン 【SNOW】■出雲彼方/雪月澄乃/橘芽衣子 【あすか120% BURNING Festシリーズ】■本田飛鳥/豊田可莉奈/北条虎美 【CROSS†CHANNEL ~To all people~】■黒須太一/山辺美希(固有化)/支倉曜子 【アカイイト】■若杉葛/浅間サクヤ/千羽鳥月 【Maple Colors ~決戦は学園祭!~】■葵未来/鈴原空 【Sister Princeesシリーズ】■衛/千影 【GALAXY ANGELシリーズ】■ミント・ブラマンシュ/フォルテ・シュトーレン 【久遠の絆】■御門武/高原万葉 【EVEシリーズ】■法条まりな/天城小次郎 【悠久幻想曲】■パティ・ソール/アルベルト・コーレイン 【SAKURA ~雪月華~】■草薙誠/出雲明日香 【つよきす ~Mighty Heart~】■対馬レオ 【グリーングリーン】■朽木双葉 【Screen】■池柳彩女 【Memories Off 2nd】■伊波健 【ファントム~PHANTOM OF INFERNO~】■ドライ 【D.C.P.S.】■白河ことり 【式神の城 七夜月幻想曲】■ふみこ・O・ヴァンシュタイン(ちびふみこ) 【ローゼンメイデン ドゥエルヴァルツァ】■水銀燈 【Only you リベルクルス】■天童来夢 【GUNSLINGER GIRL】■リコ 【以上67人】 ルール =基本ルール= 1:参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。 2:参加者全員には、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。 3;また、ランダムで選ばれた<武器>が1つ、渡される。 4:最後の生存者のみが、安全に帰宅することができる。 5:日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。 =首輪関連= 1:参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。 この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、 または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。 2:24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。 3:日没&日の出の一日二回に発表される禁止エリアに進入すると首輪は爆破される。 外部リンク ■支援サイト ギャルゲーバトルロワイアルまとめページ(消失) ■スレッド(dat落ち) ギャルゲー・バトルロワイアル
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ユーゼスは生き返った 「お前を生き返らせたのは私だ」 黒いモンスターがそう言う 「おいそこの黒いお前 ―――『それも私だ』は私の専売特許だ! そしてお前が私を生き返らせるよう仕向けたのも私だ!」 「お前がそう言う風に仕向けたのも私だ」 「玉子症候群をつくったのも私だ」 「このロワを主催したのも私だ」 「バトルロワイヤルを作ったのも私だ」 【二日目午後5時/バチカン市国】 【ユーゼス@スパロボとか】 [状態]:それも私だ [装備]:それも私だ [道具]:それも私だ [思考]:それも私だ 【ダークライ@ポケモン(不思議なダンジョン)】 [状態]:それも私だ [装備]:それも私だ [道具]:それも私だ [思考]:それも私だ
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ようこそ 投票によって選ばれた名簿「ニコニコオールスターズロワ」で行われるバトルロワイヤルのまとめwikiです。 メニュー
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「いったいどないなってんねん……私らこれからどうなんるんや……」 朝日が木漏れ日となって温かに森を照らす。 そんな穏やかな景色に似つかわしくない暗い表情の少女が肩を落として歩いていた。 彼女の名は末原恭子。全国屈指の麻雀強豪校、姫松高校麻雀部の大将を務めている。 その打ち筋は『堅実』。常に格下に負ける可能性を意識し、対戦相手の打ち筋の分析と対策を徹底する。 華やかな麻雀ができない『凡人』であるからこそ、常に勝利への情報収集を怠らない。それが彼女の麻雀における信念である。 その努力の甲斐あって、大会では部員からの全幅の信頼を寄せられる参謀役として活躍してきた。 その信頼は下級生だけでなく、同じ三年生の麻雀部主将にして絶対的エースたる愛宕洋榎も彼女の分析力に信頼を置いていた。 恭子は忘れない。あの屈辱的な二回戦の勝利。 完膚無きまで叩き伏せられた挙げ句、麻雀において常識外れの点数調整をされて姫松高校は二位で準決勝に勝ち進んだ。 全てはあの宮永咲の手のひらで踊らされ得た勝利。 準決勝で再戦する清澄高校。そして辛酸を舐めさせられた宮永咲の打倒を目指して特訓に励んでいたのだが―― 「なんやねん……あの三メートルの宇宙人みたいな元総理は……」 ハトヤマユキヲと名乗る、元総理大臣による友愛ゲーム(殺し合い) ただの麻雀が少し強いだけの女子高生にはあまりにも過酷なサバイバルゲームであった。 「何が友愛やねん……友愛は人を殺すことちゃうやろ……あんなんが元総理大臣とか……座るのは首相官邸の椅子やなく鉄格子の付いた病室のベッドやん……」 至極もっともな言葉であるが、完全に自分ひとりの世界に旅立って演説をする元総理にその言葉の意味を正しく理解しろというのも無茶なものである。 あの場にいた誰もがあの男を狂人だと思っていただろう。 普通の女子高生である恭子ですらもあれを『触れてはいけないもの』と感じていた。 「メゲるわ……」 どうすればいい? あの男の言いなりになって最後のひとりとなるべく殺し合いに参加する? そんなことできるわけがない。 もし、この会場に洋榎が、絹恵が、大切な仲間たちが呼び寄せられていたらどうする? 彼女たちをその手にかけて生き残ることなんて考えたくもない。 「こんな時、主将は――洋榎やったらどうするんですか……って聞くまでもないなあ」 恭子ははぁ、とため息をついて近場の朽ち木に腰をかける。 穏やかな風。風に揺れてざわめく緑。温かな木漏れ日。 森林浴にはもってこいの環境なのに恭子の気は暗い。 殺したくない。 でも殺されたくない。 フラッシュバックするプロレスラーめいた男の首なし死体。 リング上に広がる赤がいまだ恭子の脳裏にこびりついている。 何もしなければ次は恭子自身がああなる番。 ならば――殺されないために殺される前に殺せ。 そんな内なる声が聞こえたような気がして恭子ははっと顔を上げた。 「ッ――! あかん、やっぱ私にはでけへんよ……でも……」 自分にその気がなくても相手がその気だったらどうすればいい? せめて何か最低限自衛の手段があれば―― (でもそれがあの男の狙いなんやろなあ……) 例え殺し合いに乗るつもりがなくても、襲われてしまったときは応戦せざるをえない。 生き残りたいと願うのは生きている者として当然の願望。もし無抵抗で命を差し出す者がいればそれはそれで異常者と同じである。 全員が殺し合いに乗らず協力して知恵を出し合えば何かしら現状を打開できるかもしれない。 ハトヤマはそうせないために参加者に殺し合いに役に立つアイテム――武器を配っている。 たとえ自分に殺す気がなくても正当防衛で殺めてしまえばハトヤマにとってそれは殺し合いに参加しているのと同義。 武器を持ったまま最後までそれを使わないことなんてありえないだろう。 人間が生き残りたいと思う願望を持っているかぎり、武器を持ちつつ一致団結は不可能である。 必ず、自らの利益と保身で団結に綻びが生じてくる。 (まるで、囚人のジレンマ……それ以上やな。ほんまよーできとるシステムやわ) 恭子も殺し合いに参加するつもりはなくても自衛の手段は欲しい。 それがハトヤマの目論み通りなのは理解しつつも、死にたくない、生き残ってインターハイを優勝したいという自らの願望のためにデイバッグの中に手を伸ばした。 そして―― 「なんや……これ、ただの雑誌……? 『Vやねん!タイガース』ってアホかっ!」 出てきたのはなんの役にも立たない野球雑誌。 それもとある球団のファンにとっては『何がVやねん!』と苦々しい思い出の象徴でもあった。 「中身はしょーもない雑誌だけ……アホらし……なんか気ぃぬけたわ」 残りは地図やコンパスなどの戦闘には役に立ちそうにないものばかり。 それでもどこかほっとする恭子だった。 これで自分が誰かを殺すことはなくなった。 もう殺人者になることはない―― ぞくり。 「ひっ……」 突然。恭子の背筋に悪寒が走る。 この感覚――まるで麻雀で誰かの待ち――それも役満クラスに振り込む直前に感じるモノを何十倍に濃縮したような感覚。 喉元に鋭い刃を突き付けられたようなそれはまさしく殺気。 (あかん、うち……ここで死んでしまうん――……?) 諦めが恭子を支配する。ここでもう終わりなのか。 そんな彼女に耳に『動くと、当たっちゃいますよ』と声が響いた。 髪を掠める風と同時に背後にあった木にぶら下がる実が破裂する。 ほんのワンテンポ遅れて銃声が森に響いた。 「え、あ……? 何が起こって……」 何が起こったのか恭子自身もわからず混乱する。 ややあって森の茂みから黒い人影が姿を見せる。 長い銃身を持つ狙撃銃を持った人間、だがその姿は恭子にとってあまりにも珍妙な外見をしている。 白い和風の装束に身を包んだ怪人物。それはまるで歴史物語から抜け出してきた侍か忍者か。 恭子が見ても息を飲むほど綺麗な黒髪を結わえたその人物は端正な顔立ちで、一見すると男か女かもわからないほどの美貌を誇っている。 そしてその人物は美しい和装にあまりにも不釣り合いな無骨な狙撃銃を携えていた。 「信長殿の火縄銃とはかなり形は違いますが、火薬を用いて弾を飛ばす構造は一緒のようですね。ばてれんの技術は大したものです」 声から察するに男のようで。男は興味深そうに狙撃銃をしげしげと眺めている。 そして恐れおののく恭子を察してかにこりと微笑んで言った。 「申し訳ございませぬ。少しばかりこれの試し撃ちをしとうございまして。例えいくさ場とはいえさすがに私も無抵抗のおなごを好きこのんで殺める物狂いにございませぬゆえに」 見た目通り少し時代がかった言葉遣いの青年は妖艶な笑みを浮かべて恭子に詫びた。 「しかし……殺気を殺して撃ったつもりだったのですが先に感づかれるとは私の鍛錬も足りませぬなぁ」 「あ、あの……あなたは一体……」 「――申し遅れました。私は与一、那須資隆与一で御座います」 青年は飄々とした口調のままにこやかな笑みを浮かべ名を名乗った。 「は……? 那須与一ってあの?」 「はぁ、私以外に那須与一を名乗る者がいればお目にかかりとうありますが……」 「だって……那須与一って源平の――」 「ああ――あなたも信長殿や豊久殿と同じでございますか。は、ははっ数百年たっても名が残るとはもののふの誉れでございましょう」 不敵に笑う青年は恭子にとって信じられない名を口にする。 那須与一。800年以上前の人間が生きて目の前に立っているのだから。 ◆ 「まさか信長殿や豊久殿よりもさらに後の世の方とは……くっくくく……げに浮世は面白きことで」 「……ほんまにあなたは那須与一なんですか。私には信じられない話ばっかりなんですけど」 彼の言葉は恭子にはあまりに信じられないものであった。 なにせ数百年前の人間であるばかりではなく、ここに来る前まであの織田信長や島津豊久と言った戦国時代の武将と行動にしていたというのだから。 おまけに耳の長いエルフが住まう世界というまるでゲームか漫画のような話でにわかには信じられなかった。 「私もあなたの話を聞けば信じがたきことばかりですよ? まさか800年先の世は武士の世どころかただの民草が世を治めているなんて私たちの世からすれば想像もしないものですなあ」 「…………」 「しかし、800年の時が流れても世はいくさに満ちあふれている。世は移り変わっても人の本質は変わらぬものでございましょう」 「……どうして、わかるんですか」 「だってコレはあなたの時代の武器なのでしょう? 私の世よりも遥かに進んだ人を効率よく殺めるモノですよね?」 与一の言葉は真理を突いていた。 恭子は平和な時代の日本に住んでいるものの、世界には紛争はいまだ続いている。 そしてこの場もいずれ人同士が殺し合う戦場になるのだから。 「ひとつ、聞いてもええですか?」 「はいどうぞ」 「与一さんは……人を殺したことあるんですか?」 「くっくっく……は、ははは、何をあたりまえのことをおっしゃる。私はもののふですよ。たくさん、たくさん殺しました。そういう世なのだから当然でございましょう。不本意ながら根切りも……ね」 「ネ、キリ……?」 「一族郎党皆殺し、老若男女お構いなく殲滅ですよ」 皆殺し。与一の言葉が恭子重くのし掛かる。 同じ言葉が通じて、同じ日本人だというに与一がまったくの別世界の人間のよう。 800年という歳月はこうも人の意識を変えてしまうのかと思う恭子であった。 【G-4/森/一日目-朝】 【末原恭子@咲-saki-】 [参戦時期]:全国大会二回戦終了後~準決勝開始前 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品*1、Vやねん!タイガース 2008激闘セ・リーグ優勝目前号@現実 [スタンス]:対主催 [思考] 基本:死にたくない。でも殺し合いには乗りたくない 1:与一さんはどうするつもりなんやろか…… 【那須与一@ドリフターズ】 [参戦時期]:エルフ占領地解放後~黒王軍襲来前 [状態]:健康 [装備]:レミントンM700(5/6 予備弾50発)@現実 [道具]:基本支給品*1 [スタンス]:対主催? [思考] 基本:??? 1:未来の世の話をもっと聞きたい 黒い白馬に跨った詐欺師が少女と共に前へ前へとバックした 投下順 Boy meets Devil GAME START 末原恭子 GAME START 那須与一
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「問おう、君が僕のマスターかな?」 男は、静かに問いかけた。 その男の名はイチロー。 生前数々の奇跡を起こした彼は英霊となり、このカオスロワを契機に再び現界することとなった。 クラスはバッターであり、そのバットは一振りで五体の鯖を落とすという逸話を持っている。 そんな史上最強のサーヴァントを召還した男、織田信長は獰猛に笑った。 何故、バトルロワイヤルの主催者である彼がサーヴァントを召還したのか。 それを知るのはまだ織田信長だけだった。 【?時?分/?】 【イチロー@現実?】(バッター) 【状態】健康。 【装備】なし 【道具】なし。 【宝具】バット。 【思考】1.マスターに従う。 【織田信長@?】(マスター) 【状態】? 【装備】? 【道具】? 【思考】?